2024年度トピックスと

次の10年に向けて

2011年に東日本大震災の復興を目指し、社会起業家の支援をスタート。その後、2015年にクラウドファンディングを通じて、93名の市民の支援を受け、一般財団法人を設立したREEP財団。そう、2025年は創立10周年の節目となりました。

今回は2024年のトピックスと次の10年に向けた動きを紹介していきたいと思います。

2024年。進化と可能性を実感

まずは、2024年のトピックスから。この年は、これまで進めてきた早期介入への取組みにおけるアウトリーチが22.3万人規模(2024年度末時点)となり、日本の早期介入のあり方を変革する可能性を感じました。また、奨学金プログラムでは、過去最高の21名の参加者で実施。オンライン中心の運営からリアルの場での運営も増やすことで、参加者同士の関係性にも変化が生まれました。また、REEP財団としても新たなスタッフの参画にともなって、新たな動きも見えてきています。

詳細をまとめた年次報告はこちら

次の10年に向けて 

REEP財団のストーリーを紡ぐ

2025年6月。REEP財団の評議委員、理事、スタッフに加え、資金提供者のみなさんと「REEP財団を語る」ワークショップも開催しました。

評議委員、理事、スタッフ、資金提供者が集まる会合は毎年行われていましたが、新しいスタッフも増えてきたタイミングでもあり、あらためてREEP財団のストーリーを紡いでみようという試みでした。

REEP財団の関係者たちは、様々なキャリア・経験を持っています。例えば、同じ現場で同じ経験をしていても、感じていることは少しずつ違っていたことを対話によって発見したり、それでも根っこの部分でつながっていることを再確認したり。逆に自分は経験していないことを知ることで、REEP財団への理解が深まったりと有意義なワークショップとなりました。

ちなみに、「根っこの部分」は「社会の課題を汲み上げ感性」と「課題を解決するなら根本からという合理性」ではないかと感じています。

 また、普段はリモートワーク中心ですが、実際に顔をあわせて対話するということだけでも、たくさんのことを吸収できることを実感させられました。

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ステークホルダーが集まっての対話を「REEP huddle」と呼んでいます。huddleとは、アメリカンフットボールの試合中に行われる短時間の作戦会議のこと。丸くなる、円陣などを意味します。

今回は特定非営利活動法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパンのワークショップを実施。

https://communityorganizing.jp/

”公益”財団法人化へ 

REEP財団は現在、一般財団法人から公益財団法人へ移行するための準備をしています。より公益性の高い活動をしたい。そのため、寄付してくださる方の税制優遇も可能にしたいし、社会的信用度を高めたいという想いがあります。

公益財団法人になるには行政庁の認定を得ることが必須。そのため、定款や各種規程の整備、オフィスの設備を拡充させるための引っ越しなどなどを2025年9月頃をめどに行います。リープ共創基金(REEP財団)から、REEP財団へと法人名変更を行ったのもその一貫です。「基金」はある目的のためのお金そのものですが、「財団」は財産を基盤に事業を行う法人。事業を行う法人としての意志をわかりやすく伝えるためにも変更することにしました。

ここでは、定款中にある、財団の目的の変更、それにともなう財団メッセージの作成についてお知らせしたいと思います。

組織の目的を改めて言葉にする

組織を運営していく上での基本ルールであり、「組織の憲法」ともいわれる定款。公益法人化を機に見直したもののひとつです。定款の中で特に見直したかったものが、REEP財団と資金提供者、社会起業家、課題の当事者との関係性をきちんと言葉にすることでした。

そもそも財団法人の機能とは、個人や法人が拠出した「財産」を基盤に設立され、「財産を社会に役立てる仕組み」。具体的には、NPO・大学などの活動に対する「助成」「研究支援」、学生に対する「奨学金給付」などがあります。こうしてみると、社会起業家のパトロン(財政面での支援者)のように見えるかもしれません。ですが、それだけでは私たちの活動を説明しきれないと感じています。資金提供者も資金を託すのであれば、成果をあげてほしいと願うでしょう。課題の当事者も今を助けてほしいだけではなく、未来を創る力を得たいと思っているのではないでしょうか。この三者を対等につなぐ基盤としての財団でありたいということを表現したかったのです。

加えて、10年間の経験を通してREEP財団として関わる領域・関わり方も見えてきました。これまでの定款では「社会的課題の解決に持続可能性と拡張性をもたらす」としていましたが、「支援が構造的に不足する領域への助成」としました。公的資金を通じた福祉では、誰にでも等しく公平ではあるものの、対処療法的な課題ベースのものが多く、解決ベースのものになりにくいという面があります。そこからこぼれ落ちてしまう領域に対して、解決ベースの支援をしていきたいということを打ち出しています。

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左:これまでの定款 右:これからの定款

メッセージに込めた想い

先に紹介したREEP財団のストーリーを紡ぐワークショップと定款づくりは並行して行われました。そのことで言葉にすること、言葉で伝えることの大切さをより感じる機会になりました。ただ、定款は「組織運営の基本ルール」であり、ステークホルダーに共有・浸透させるもの。今後、公益法人化し、仲間を増やしていくためにも、多くの方に伝わりやすいメッセージの重要性も感じていました。

財団としての特長・姿勢、創りたい世界観、支援したい領域、財団名の由来などなど多くの視点から案を考えました。その中から生まれたのが次のメッセージです。(ライティングをお願いしたコピーライターの北野早苗さんには感謝しかありません)

ちなみに財団名であるREEPにはいくつか意味があります。そのひとつはドイツ語のREEP。海事用語で「縄(英語でいうROPE)」の意味です。社会課題に向き合う様々なひとたちの想いを紡いでつないでいきたいという意味があります(ロゴマークのRのデザインもここから発想)。もうひとつはRE-desighing Equal Partnershipの頭文字をとったもの。「対等なパートナーシップを再構築する」というもの。今回の組織の目的、メッセージの根底にある考え方です。

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大切にしたかった資金提供者、社会起業家、課題当事者との対等な関係性を基盤にして事業を進めていきたいと考えていたことを柱に、REEP財団が作り上げたい世界観をシンプルに伝えることのできるものに仕上がったと自負しています。今後はこのメッセージを自分たちの行動基盤とし、実現していくこと。そして、一緒にこの世界を創るための仲間を増やしていくことを考えていきたいと思います。

REEP財団 広報

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