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基金の運用を通じて、ペットポトル6万本相当のCO²の排出を削減 (1)

· ブログ,アニュアルレポート

「100万円の預金が約1.5万本のペットボトル相当の二酸化炭素の排出に責任がある」と言われるとどう聞こえるでしょうか?*1 これは、国や産業全体でもたらした二酸化炭素の排出量を国や産業が抱えている資本で割ることで得た数字です。国や産業からみれば、100万円という数字はわずかな割合ですが、国や産業が排出している二酸化炭素の量が膨大であるため、100万円という資本が責任を持つ二酸化炭素の排出量も相応の規模に膨らむのです。

お金の流れを変えれば、地球温暖化する食い止めることができる

ペットボトルや二酸化炭素の削減が重要なのは、資源の効率化という問題を越えて、それが地球温暖化の最大の原因だからです。地球は既に平均気温1℃の上昇を遂げているだけではなく、局所的な温暖化や異常気象の確率は拡大の一歩を遂げ、世界経済や人類のあり方を左右する最大の焦点と化しています。今も世界の各地で広域的な天災が続き、気候変動によって土地を追われ難民化する人口は急増しています。もし、我々は資金の行き先を変えることで、持続可能な未来を近づけることができるのです。逆に言えば、資金の行き先を変えることなく、持続可能な未来を実現することはできません。

そのような背景の中で、我々の財団はESG投資と呼ばれる環境や社会に配慮した基金の運用を続けてきました。財団が資産を運用するという考え方は、新しく聞こえるかもしれませんが、財団や大学の主要な収益源これまでも資産の運用であり、また、環境や社会に配慮した資産の運用を行うというのは、欧米の財団や大学、教会が始めた伝統ある慣習の一つです。それが、ようやく経済界にも広がり、ESG投資と呼ばれ、2000年代以降から急速に普及を始めます。

我々の財団も2015年から基金の運用を始め、2019年度の運用で、ようやく二酸化炭素の排出の削減にも貢献をすることができました。我々の財団は、2019年度は約600万円の資産を米国の環境ファンドで運用し、約6万本相当のペットボトルの削減に貢献しました。*2

世界初の化石燃料ゼロのファンドで資産を運用

我々の財団は約5000万円弱の基金をお預かりしていますが、2019年度はこのうち約10%を米国のETHOというファンドで運用していました。ETHOは米国の社会起業家2名によって立ち上げられたファンドで、投資対象を気候変動対策でリーダーシップを発揮している企業のみに限定するという大胆な試みで注目されており、米国の上場投資信託(ETF)で地球温暖化の主要因となっている化石燃料の排出をゼロにすることに初めて成功したファンドです。

そして、米国のファンドの素晴らしさの一つはあらゆるデータがすでに可視化されているという点です。例えば、ファンドに投じた金額に対して、どれだけの二酸化炭素の排出が行われたかというデータすら手に入ります。上記の画像は、ファンドごとの二酸化炭素排出量を集計したものですが、我々が運用を委託しているETHOは、米国の環境ファンドのランキングの中でも最も優れたファンドだと評価されています。

気候変動防止のリーダー企業は、経済的パフォーマンスも良いか?

これまでも、我々は環境や社会に配慮した資産の運用を行い、その運用益をNPO法人や社会的企業に助成を行ってきましたが、資産運用の基盤も整い、資産運用を通じた社会的成果も可視化できるようになりつつあります。

 

そして、このような投資の手法はここ十数年の間で急速に主流化するだけではなく、その成果も可視化され、世界のほぼ全ての機関投資家や上場企業に課題が課されるように変わりました。それまでの間、経済性と社会性には二律背反が存在し、どちらかを優先すれば、どちらかを犠牲にせざるを得ないという議論が続きましたが、それは過渡期の議論にすぎませんでした。なぜなら、以前、財団のオウンドメディアでご紹介させて頂いたように、社会性を追求すれば、結果として経済性も持続するということがあらゆる角度から証明されつつあるからです。

ETHOというファンドの運用成績を通じて示されたデータも上記と結論を同じくするものでした。気候変動にリーダーシップを取る企業の成績は、平均的な米国の上場企業よりも高い経済性を誇っていたのでした。

もちろん、ETHOというファンド自体にも課題はあり、ETHOというファンドが完全に温室効果ガスの排出をゼロにしているわけでありません。他のファンドに比べ、進んでいるとはいえ、その投資活動を通じて、わずかながらの温室効果ガスを排出しています。

財団の運用の中で、ETHOでの運用に充てられた資金は一部に過ぎませんし、また、我々の財団の規模も限られています。ただ、社会的な資産の運用に対し、急速に相談を頂くようになり、財団自身も次のステージに進みつつあります。

我々の財団のみならず、日本の多くの方々が自らの財産が気が付かないうちに気候変動を後押ししているということや、もしくは、児童の搾取や軍需産業への資金の還流に寄与していることに気づき始めると何が起こるのでしょうか。我々は善意の資本の持つ力を最大化するで、日本や世界の未来を切り開らけると考えています。

*1 世界の資本市場の平均的なCO²排出量(CO2e/$1M・MSCI ACWI基準)に対し、世界の金融資産を分母とし、100万円を分子としたものに対し、ペットボトル一本あたりのCO²排出量(全数リサイクルを仮定)としたもので割ったものから算出

*2 CO²の削減量は世界の資本市場の平均的なCO²排出量(CO2e/$1M・MSCI ACWI基準)に対し、ETHOのCO²排出量を引いたものに対して、弊財団の資本投下割合を乗じたものから算出

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