財団について

財団の使命―未来は与える側と与えれる側の対等な関係性から

我々が財団を立ち上げた最大の理由は、長期的な支援を可能にするためです。新たな社会をつくるには短期的な支援で終わってはいけない。むしろ、そのための「柱」から築いて行く必要があると考えています。我々は、篤志家から託された資金を倫理的に運用され、それが優れた非営利組織の長期的な財源として機能し、より多くの社会的弱者の支援に役立てられることが、新たな社会を支える「柱」を築くことだと考えています。

考えてみれば、情報や資金の偏在はこの非営利セクターほど激しい分野は存在しないかもしれません。非営利組織には情報はあれど、資金提供者にまで情報を届けるには至っていない。資金提供者はいれど、良い非営利組織には出会い難い。

この問題を解決する方法は単純なものでした。もし助成が継続できれば、全ての関係者が互いに顔を合わせ、現実に向き合い、学び合うことができるのです。そして、問題解決を継続できれば、解決策の質は向上し、また、多くの社会的弱者に対しサービスを提供することができます。我々は基金の組成を通じて、篤志家と非営利組織の関係性を更新し、さらには、根深い問題への解決に向かっていくための共創をデザインしていきます。


財団の仕組―新たな金融システムを通じて道徳と経済を両立させる

これまで非営利の世界における支援は期間においても規模においても限定的な支援が目立ちました。それは、活動に必要な資本を分割し、分け与えることが主流だったからです。それに対して、我々は株式市場の新たな変革者と共に資金の積極的な運用を始めることにしました。ただし、資産運用の対象とする公募投信の選択に一つだけ条件を設けることにしました。つまり、社会的課題の解決においてリーダーシップを発揮する企業だけを投資運用の対象(SRI)として限定したのです。

これは綺麗事のように聞こえるかもしれません。しかし、実際は、社会の課題に真剣に向き合う企業は決定的な経営リスクを健全に捉えることができ、長期的に成長を遂げるということがわかりつつあります。そのような社会的責任(ESG)を追及する企業は長期間にわたって経済的な利益が持続するのだということはオックスフォード大学の研究者らによって証明されつつあり(From the stockholders to the stakeholders, University of Oxford, Arabesque Parnters, 2015)、また、そのような企業のみを対象とした投資信託も登壇しつつあります。

我々の財団で実証した結果も上記を裏付けるものでした。資産運用の対象を社会的課題の解決においてリーダーシップを発揮する日米の400社の成長企業に限定し、年利8%(基金の標準的な運用目標は年利4%)という利回りでの資産運用を実現することができたのです。


代表者メッセージ―財団を通じて世界を変える

私が財団のことを考えはじめたのは、東日本大震災の復興に携わったことがきっかけでした。未曾有の被害に対して、日本はもとより各国から支援の資金が集まったのですが、残念ながら、資金のミスマッチも多く存在したのです。緊急時の被害において、支援の時期や資金の規模を最適化するのは本当に難しい。だからこそ、財団のような存在が資金を賢く使うための「弁」の役割をもっと果たすべきだと痛感じたのです。

震災復興の当時、我々は持続的に活動を発展させることを目指す非営利組織を選び、また、積極的に彼らの経営体制を支援していくという活動を始めました。そんな我々の活動を最初に支援してくれたのは米国の財団でした。我々はそれをきっかけに欧米の財団の考え方を学び、資金の提供者と現場の非営利組織をつなぐ役割があるということ、そして、それが日本にかけている仕組みだということを理解するようになりました。

我々は新たな社会をつくるには、「柱」から築いて行く必要があると考えています。財団や基金という仕組みが新たな社会を支える柱として機能するよう専心していきます。

 

一般財団法人リープ共創基金 代表理事 加藤徹生